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【SAP】『データエレメント』『ドメイン』とは?仕組みを分かりやすく解説!

SAPに携わっていると『データエレメント』や『ドメイン』といった言葉を耳にすることがあると思います。これらはABAP用語ですが、直接設計や開発に携わらない人でもSAPのプロジェクトに参画している人でしたら知っておくべき要素です。

当記事では、『データエレメント』と『ドメイン』について、業務ユーザー寄りの目線で解説しているので、まだ知らない方は参考にしていただければと思います。

SAPの仕組み

SAPでは、テーブルや構造の項目を定義する際に『データエレメント』と『ドメイン』を使用します。つまり、SAPで保持している項目や画面に表示される項目は、必ず『データエレメント』と『ドメイン』が定義されています。

今回は、以下の画面イメージを例に解説します。

FIモジュールの標準機能である「伝票一覧」(トランザクションコード :FB03)を開くと、上のイメージのような第一画面が表示されます。いくつかの項目が表示されていますが、「会社コード」を例にご説明します。

画面上に「会社コード」というテキストが表示され、空欄には会社コードとして定義された4桁コードしか入力できないよう制御されています。これは『データエレメント』と『ドメイン』が設定されているためです。

『データエレメント』

『データエレメント』とは、表示するテキストや検索ヘルプを定義するオブジェクトです。画面上に「会社コード」と表示されているのは、データエレメントで「会社コード」というテキストが定義されているためです。

『ドメイン』

『ドメイン』とは、データ型や桁数を定義するオブジェクトです。会社コード欄に4桁コードしか入力することができないのは、ドメインで4桁が定義されているためです。

日付項目には日付しか入力できなかったり、通貨単位項目には通貨しか入力できないよう制御されていますが、これもドメインでデータ型が定義されていることが理由です。

データエレメント と ドメインの関係性

データエレメントは、ドメインを参照して定義するのが一般的です。

会社コードを例にすると、データエレメント 'BUKRS' はドメイン 'BUKRS' を参照しています。(SAP標準で用意されているオブジェクトのため、名称が同一でややこしいですが・・・)

画面上で目にする『会社コード』は、データエレメント 'BUKRS' に「会社コード」というテキストが定義されているため表示されています。そして、このデータエレメント 'BUKRS' が参照しているドメイン 'BUKRS' でデータ型や桁数が定義されているため、4桁コードのみが入力できる仕組みになっています。

データエレメントとドメインの確認方法

SAPの画面上で、データエレメントやドメインを簡単に確認することが可能です。まず、確認したい項目を選択し、キーボードの [F1] を押すとポップアップ画面が出てきます。ポップアップ画面の上部にある工具マークを押下することでデータエレメントを確認することができます。

また、トランザクションコード 'SE11'「ABAP ディクショナリ」からも確認することが可能です。「ABAP ディクショナリ」は、データエレメントやドメインだけではなく、テーブルや構造など、様々なオブジェクトの作成、変更、参照をすることのできるトランザクションです。設計時にはよく使うトランザクションなので、覚えておくと便利です。

最後に

データエレメントとドメインは、SAP標準で多く用意されていますが、add-on開発時などに要件に応じて新規作成することが可能です。「SAP標準には用意されていない名称で表示させたい」「add-onテーブルを作成しSAP標準ではない項目を保持させたい」などの要件がある場合は、新規でデータエレメントを作成する必要があります。

設計や開発に携わらない方でも必要な知識になるので、ぜひ仕組みは理解しておくようにしてください。

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