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【SAP】『購買情報マスタ』を徹底解説!

『購買情報マスタ』は、MMモジュールで使用されるマスタです。購買情報マスタの設定は、必須ではありませんが、マスタをメンテナンスしておくことで業務を円滑に行うことができます。

『購買情報マスタ』とは

購買情報マスタは、仕入先×品目ごとに登録するマスタです。同一品目であっても、仕入先によってリードタイムや価格が異なります。

購買情報マスタを設定しておくことで、購買伝票登録などのトランザクションでマスタを参照して価格や納期を算出することが可能となり、購買業務を円滑に行うことができます。

  • 購買情報マスタ:登録(Tr-Code:ME11
  • 購買情報マスタ:変更(Tr-Code:ME12
  • 購買情報マスタ:照会(Tr-Code:ME13

 

『購買情報マスタ』の主要項目

第一画面

トランザクションコード 'ME11' を開くと、購買情報マスタのキー項目「購買情報区分」の入力画面が表示されます。

キー項目

購買情報マスタのキー項目

  • 仕入先コード
  • 品目コード
  • 購買組織
  • 品目

購買情報マスタは登録方法が3パターンあり、それぞれキー項目が異なります。第一画面では、必要なキー項目のみ入力します。

パターン①:仕入先×品目
組織に依存しないため、一般データのみ登録可能です。

パターン②:仕入先×品目×購買組織
納入までにかかる日数や正味価格などを登録することができます。

パターン③:仕入先×品目×購買組織×プラント
登録内容はパターン②と同様です。プラント単位でより細かい粒度で登録できるため、同一購買組織でもプラントによってリードタイムなどが異なる際に登録します。パターン③での登録内容が優先して使用されます。

『購買情報区分』

「購買情報区分」とは、登録する購買情報のカテゴリを選択します。

「購買情報区分」の選択値

  • 標準
    原材料などの通常の購買は、「標準」を選択します。
  • 外注
    外注とは、構成品を支給して加工を依頼する取引です。そのため、購買情報マスタで保持する価格情報は、「外注加工費」になります。品目外注や工程外注の場合は、この「外注」を選択します。
  • パイプライン
    石油や水道などのパイプラインを通して供給される購買契約の場合に「パイプライン」を選択します。
  • 受託品
    受託品とは、物理的には自社に在庫がありますが、仕入先の資産である品目を指します。自社に保管している仕入先の在庫を必要に応じて使い、使用した分だけ仕入先に支払いをするような契約の場合、この「受託品」を選択します。

 

一般データ

第一画面で必要項目を入力すると一般データを登録する画面に遷移します。

項目名 使用用途
 仕入先品目コード 仕入先で管理している品目コードがある場合に使用する。
督促日数 納入予定日に対し、納入が遅延していた場合に仕入先に督促通知する日数を設定する。入力値がマイナスの場合は、納入予定日よりも設定した日数前に督促することが可能。
販売担当者 仕入先の担当者を入力します。
仕入先電話番号 仕入先の電話番号を入力します。
返品契約 返品可否を制御する。

 

購買組織データ

画面上部の「購買組織データ」というタブをクリックすると、購買組織データを登録する画面に移ります。ここでは、購買業務に関連する情報を登録します。

項目名 使用用途
納入予定日数 調達リードタイムを日数で入力する。
購買グループ 調達を担当する購買グループを入力する。
標準数量 通常、仕入先に該当品目を発注する数量を入力する。
最小発注数量 ロットの数量などの関係で、発注時の最小数量が決まっている場合に入力する。当項目で入力した値より少ない数量での購買は不可となる。
最大発注数量 発注時の最大数量が決まっている場合に入力する。当項目で入力した値より大きい数量での購買は不可となる。
不足納入許容 入庫数量が発注数量に対し不足した場合に、入庫を認める許容値を設定する。パーセンテージ(%)で設定し、発注数量に対し不足数量が設定値(%)以内であれば、入庫を認める。
過剰納入許容 入庫数量が発注数量を超過した場合に、入庫を認める許容値を設定する。パーセンテージ(%)で設定し、発注数量に対し過剰数量が設定値(%)以内であれば、入庫を認める。
入庫基準請求書 入庫数量に基づき自動で請求書照合を行う場合に設定する区分値。
確認管理 購買伝票上の確認タブに登録する入荷伝票/発注請書の入力必須/任意を制御する項目。
税コード 取引で使用する税コードを設定する。
正味価格 発注数量単位に対して、購買金額を設定する。
インコタームズ 輸入取引の場合に適用するインコタームズを入力する。

 

条件

画面上部の「条件」というタブをクリックすると、条件データを登録する画面に移ります。ここでは、条件タイプごとに金額情報を登録します。「購買組織データ」で入力した正味価格も引き継がれ、条件タイプ'PB00'のとしてこちらでも表示されます。

項目名 使用用途
条件タイプ 価格情報が何の金額を表しているのかを区別するための項目。正味価格に加え、値引や運賃などの付随費用など様々な条件タイプを指定することが可能。
金額 条件タイプごとに、発注数量単位に対して金額を入力する。
有効開始日 金額情報が購買業務で有効となる日付を指定する。
有効終了日 金額情報の有効期間が終了する日付を指定する。

 

テキスト

画面上部の「テキスト」というタブをクリックすると、テキストデータを登録する画面に移ります。画面上では5行用意されており、テキストとして自由に登録することが可能です。

項目名 使用用途
購買情報テキスト 購買情報マスタ上でのみ保持するテキスト情報。
購買発注テキスト 当項目で登録したテキスト内容は、購買発注伝票に引き継ぐことが可能。

 

最後に

ここまで、購買情報マスタについて、項目や構造などを説明してきました。購買情報マスタは購買業務の主要マスタであり、有効活用することで購買業務が効率化することができます。MMモジュールを担当する際は、おさえておくべきマスタですので、参考にしていただければと思います。

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